無事に放送を完了したガンダムビルドダイバーズから初のクロスシルエット化を果たしたダブルオーダイバーエースをレビューします。
あわせて作品をさらっと振り返ってみたいと思います。
「予想よりもシンプルでソリッドなランナーたち」
「グレーのパーツは少ない」
「お馴染みのBBフレームとシール。シールを貼るのは武装が中心」
「オプションパーツが多くお得感がすごい」
組み立ては1時間はかかりません。
クロスシルエットシリーズの中でも換装用パーツがある為、箱にギッシリ感があります。
三国伝後期キットを思い返すような感じですね。
「色分けも大まかには問題なし」
頭部にはクリアパーツが豊富に使用されており、また入念に色分けされています。
私は腰の黄色と腕のレンズ部分のみシールを貼ってみました。
「背後は青一色が目立つか」
これまでのダブルオー系列のSDガンダムは顔や体形など、どこかに不満点が残っていたりしたものですが、クロスシルエットダブルオーダイバーエースは破綻のないプロポーションです。
特に色分けで示されているように力の入った頭部の出来は素晴らしいです。
「カメラアイは例によって交換可能、それは後半にて」
微妙な進化ポイントとして、各パーツが少しバラしやすくなっています。
脚部、俗に言う赤いスリッパの部分がピン接続ではなくなっていたり、他の部位も大きな軸が少なくなっています。
だからと言って勝手にバラバラになったりしやすい訳ではないのでご安心下さい。
「GNソードⅡ。グリーン部分の色が足りない」
武装は強度の関係もあり、少々色が足りていません。
一応シールで補完されていますが、ガンダムマーカーのメタリックグリーンがあると、もっと良くなると思います。
最近のガンダムマーカーの、特にメタリックカラーの発色はバカに出来ませんよね。
「可動はBBフレーム基準」
いつものようにBBフレームなので、他のシリーズと大きな変化はありません。
ですがダブルオーダイバーは可動を阻害するパーツが少ないので、ストレスなく動かせる部類ですね。
「剣モードで構える事も出来る」
少々強引になってしまっていますが、剣モードにも対応。
「エースユニットを装備」
ここからはエースユニットを取り付け、ダブルオーダイバーエースに。
1ボックスで2形態を再現できるのは特別感があって楽しいですね。
パーツは楽に押し出せるようになっているので、換装は簡単にできます。
「エースユニットのウイングは……」
「もちろん展開可能!」
複雑なギミックではありませんが、効率的な分割でウイングの展開も可能になっています。
「当然スーパーGNソードⅡもある」
剣先を交換し、スーパーGNソードⅡに。
剣先が青一色なのが目立つので、ここはホワイトかシルバーで塗装したい感じですね。
「GNダイバーソード。単色だが迫力は十分」
左右に引っ付いているメイン武装、GNダイバーソードはやむを得ない単色。
レンズ部分だけでも色があるとググッと引き締まるハズ。
「ウイングや増加装甲があっても可動は変わらず」
しっかりとクリアランスをとってあるのか、パーツが増えても干渉せず可動範囲を維持しています。
元のデザインを見ても立体化するとあまり動かなそうなのですが、この辺りはダブルオーダイバーの驚くべきポイントの一つです。
「シリーズの中でもプレイバリューに富む一作となった」
HGよりも簡略された部分はあれど、それはSDガンダムのバランスに調整したという意味で、劣化したという訳ではありません。
HGダブルオーダイバーを持っているならば並べて遊んでみるのも面白いですね。
「これがクロスシルエットの力だ」
ここから先はクロスシルエットフレームに換装。
カメラアイも気合の入った完全色分け+クリアパーツです。
「バランスはまぁ……やっぱり目立つ? 股関節のあたりが」
さて、ダブルオーダイバーは物語中では丁度中盤までの主人公機です。
後半主役機にバトンタッチするまで、ガンダム作品には珍しく戦闘のみならず移動やイベント、冒険にと大活躍でした。
「フレーム交換によって今度はポーズがビシッと決まる」
ガンダムビルドダイバーズは、ビルドシリーズに列をなす、ガンプラを作って戦う平和なホビーアニメ。
前作にあたるビルドファイターズではガンプラバトルの大会を舞台に、キャラクター同士の因縁や異世界を示唆する伏線で中だるみを防いでいました。
ビルドダイバーズでは舞台を電脳世界=ネットゲームに移し、初心者である主人公の成長や、仲間たちとの交流といった部分にフォーカスしています。
「剣戟ポーズはやはりクロスシルエットフレームだな……」
今作で物語上でミステリーとなったのは不正ツールをゲーム内にばら撒く謎の組織と、それによる電脳世界への異常。
ややご都合主義ですが、それらに対抗するプレイヤー達による同盟と、謎の組織との戦いという構図が描かれました。
イヤほら、運営仕事しろとかは野暮な話ですが……
「クロスシルエットフレームガンダムダブルオーダイバーエース(長い)」
細かいツッコミ所はあるとしても、中盤までは物語の筋としてミステリーがあり、それが戦闘によって決着を迎える13話までは、わりといつものビルドシリーズだったのではないかと言えます。
問題なのはそこからで、物語の目的となる部分が無くなってしまった期間が長いという点。
本当に「ネットゲームで楽しく遊んでいる描写」が続いてしまったのがビルドダイバーズが必要以上におとなしい印象を与える原因だと思います。
「カメラアイの奥にはシルバーのシールを貼る為、何もしなくても勝手に光る」
演出上でも勿体ない点が散見されます。
ネットゲームという事は、リアルとゲーム上の人物のギャップを取り上げることができる訳ですが、それは作中では重要なギミックとはなりませんでした。
……あとガンプラ的に、アルクとランシェの合体というか共通機構ですが、あれ絶対後半の大会で半壊した二機がくっ付くのだと思っていました。
「勝手にすっぽ抜ける程ではないが、GNダイバーソードの柄は少し緩め」
もっともゲーム世界での冒険というジャンルでは「閉じ込め」られないと緊張感を維持するのは難しい。
バトルものはキャラクターにとって、何がかかっているのかという点が重要になる以上、何のリスクもない、いつでも脱出できるゲーム世界というのは相性があまりよくありません。
「GNダイバーソードは接続ピンも出ているので、飾る際には向きに注意」
一方でゲーム世界である事を活用した演出もあり、作中で時折見せた「機体を任意で出したり消したりする」のはこれまでのガンダム作品では絶対できないことです。
特に最終回の「空中でヒロインと合流して再び機体に搭乗する」一連の流れはビルダイバーズ限定の価値ある演出でした。
こういった描写をもっと多く散りばめていれば、電脳世界ならではという地位を築けたかもしれません。
「ダブルオーダイバーはかなりグネグネ動いたガンダムでもある」
戦闘描写では力を抜くべき部分と入れるべき部分の割り切りが上手く機能しており、作中の重要な戦闘ではハイカロリーな作画を拝むことができました。
一応名前は伏せますが、中盤の決闘と、最終盤の決戦及びラスボス戦は平成テレビ版ガンダムを締めくくるに相応しい内容だったのではないでしょうか。
「ゲストの零丸」
ところでガンダムとして見るとおとなしい内容ですが、ホビーアニメとしては欠点のない一作でした。
イヤミのないキャラクターと、薄目の緊張感、何より気負いのない物語は、夕方から子供達が見るのにピッタリです。
……正直、毎度毎度鉄血みたいなのでも困るんだよ(本音)。
それは冗談としても、ずっとガンダムを追っている人にはあの鉄血のオルフェンズの後なので気楽なガンダムもアリと言えるのではないでしょうか。
「クロスシルエット!」
そして我々にとって重要なのはガンプラはどうだったのかという点。
無論、言われなくも分かっている部分でしょうが、ビルドダイバーズシリーズのガンプラは「慣れて」きているのが分かります。
元のガンプラに武装を追加したようなものが多かった過去から比べると、元の姿が全然分からないキットや、元キットを活かしながらもほとんど新規造形のものもありました。
ビルドシリーズも数作を経る事で、リデコのノウハウが降り積もっているのを感じますね。
「ビルドシリーズ、思いは再び……(別作品)」
ガンプラのレビューなのかアニメタイトルのレビューなのか微妙となってしまいましたが、ビルドダイバーズをガンプラを作ったりしながら楽しく追いかけたのは皆同じ。
クロスシルエットダブルオーダイバーエースは、SD使い(ファン)としてはビルドダイバーズの振り返り、そして総まとめに相応しい内容でした。
まだビルドダイバーズシリーズのガンプラ展開は続きますが、次なるビルドシリーズも楽しみにしたいと思います。
シリーズを共に追いかけた皆さま、そして何より作った皆さま、取り敢えずはお疲れ様でした!
以上「SDガンダム クロスシルエット ガンダムダブルオーダイバーエース レビュー と ビルドダイバーズの振り返り」でした。
さて次のクロスシルエッ……マジンガー!? 急にナンデ!?