ウォーハンマーのスタートセット、ストーム・ストライクをレビューします。
大規模という訳ではありませんが、設定を踏まえて多くのミニチュアを並べて楽しむという一面を体感することができる最初の一箱にふさわしい内容です。
「ゲームに必要なものは一通り揃っている」
セットの中にはミニチュアは勿論、世界観を説明する本や戦場となるマット、サイコロと定規が含まれています。
「塗装方法もきっちりと説明がある」
この他、簡潔にルールが書かれた冊子や広告が封入されています。
ちょっと面白いと思ったのが内箱が簡単なテレイン(戦場に置くジオラマ)に使えるようになっていた点です。
「厚紙のような材質のカード」
ミニチュアのゲーム中での能力が記載されたカードが付属しています。
しかしセットに入っていないミニチュアのカードも付いてきています……何故だ。
セットにはアストレイア・ソルブライトとセレスター・バリスタが入っていません。
「こちらは死の勢力のカード」
同じくセットに含まれていないのが残忍なるレイケナー、ドレッドブレイド・ハロウ。
ドレッドブレイドカッコいいな! コレ欲しい!
……ん? もしかしてその為にカードを?
「これが組み立て説明書、海外プラモの説明書はいつ見ても新鮮」
入門用のセットですが、デカールまで完備。
それではランナーを見ていきましょう。
「まさかのいろプラ!?」
「色、分割、モールド、一瞬たりとも気を抜けないランナー」
「秩序の勢力とは成型色が違う!」
「……コレ、よくプラモにしようと思ったよね」
ランナーの時点で既にスゴイのは分かった感じですが、海外プラモでありながらスナップフィットを採用。
本当に切り離して組み立てるだけで完成します。
いざ刮目して組み立て後へ!
「シークイター、前線に立つ兵士達」
「後ろ姿、隙なくディテールで埋められている」
「リーダーは素顔と兜を選べ……どんな分割だよ!」
秩序の勢力、ストームキャストエターナルの魔術的な部隊である「サクロサンクト聖隊」。
その一般兵を務めるのがシークイター達です。
「大型メイスを持っていたり、盾と片手武器だったりとバリエーション豊か」
一般兵と言っても造形的に見劣りする訳ではなく、一体一体がキャラクター性を主張してきます。
ゴールドの成型色も相まって、ゲームであればこのままでも臨場感は十分かもしれません。
「キャスティゲイターは見ての通り、大弓による攻撃を得意とする遠距離兵」
「遠距離武装を使うだけあり、細かな道具が腰から下がっている」
同じくサクロサンクト聖隊に所属する弓兵達がキャスティゲイターです。
弓がメイン武器というと日本だとスマートなキャラクターが主になる印象ですが、コチラは海を越えているので少々事情が違います。
「この堂々たる佇まいを見よ」
ベテラン、といった風格のリーダーは大弓を担ぎ、強キャラ感を醸しだしています。
日本ではあまり見られない、いぶし銀なキャラクターですね。
……いや、金色で華やかだから厳密にはいぶし銀ではないのか?(どうでもいい)
「部下は敵に狙いを定めるかのようなポージング」
分かりにくいが、右側は体格や鎧も細く、女性キャラクターと思われます。
「グリフハウンド、キャスティゲイター補佐する猛獣」
鳥とライオンが融合したかのようなグリフハウンド。
ミニチュアだと何だかカワイイように見えますが、ストームキャストの皆さんは身長2mをゆうに越える巨人なので、グリフハウンドも普通の成人男性くらいの目線にいますので、実際いたらデカくてコワイ。
「ミルモーン・バンシー、かつては優秀な魔法使いだった」
設定は込み入っているので、それより先に注目したいのは分割の部分です。
完成した状態を見ても何がどう組み合わさっているのか分からないと思いますが、一体につき大体4~5パーツしかありません。
「足元も注目ポイントの一つ」
「口や指、ローブの裾、剣先、超極細造形である」
「どっからどう固定されてるの!?」
ナイトホーントは死の勢力の一つ。
死の勢力は全て「不死王ナガッシュ」の配下にあたりますが、ゲーム的にはこのナイトホーントは独立したルールを持つようです。
「ベースに対してこのアングルでくるか……」
不死王ナガッシュの忠実なる下僕である幽霊たち、それがナイトホーント。
彼らには自分の意志といったものがなく、ナガッシュの意のままに行動します。
しかし幽霊達の魂は歪められ、生前の衝動と苦痛によって常に苛まれています。
「グレイブレイス・ストーカー、彼らはかつて狩人だった」
こちらはかつて狩人、趣味で狩りを行う人間でしたが、死後にナガッシュによって魂を囚われ、下僕となった幽霊たち。
グレイブレイスは生前と同じように狩りを行います。
今度の標的は、あらゆる生者の魂です。
「グレイブレイスは更にシンプルな分割」
ベースまで含めてたった3パーツで構成されている場合まである程単純な分割のグレイブレイス達ですが、だからといって手抜きではありません。
あくまでそのキャラクターを再現するために適切だったのが3パーツだったという話で、全員が全員、必要十分な造形をもっています。
「地味に武装はセット内で最もサイズが大きい」
「太鼓か槍かを選べる……いや待て、太鼓? 幽霊が太鼓?」
突然ですがセット内でも屈指の面白ミニチュアだと思うグレイブレイス・ストーカー(太鼓装備)。
太鼓というか、戦闘音楽って味方の士気を高める為ですよね?
お前らには無用の長物だろ……相手に聞かせる用かもですが、既に十分威圧的外見ですし。
とまぁ、冗談なのか真面目なのか微妙に判別しかねる点もウォーハンマーの魅力の一つと言えます。
「この外見でゲーム的には一般兵というのもスゴイ」
「前に入手した本に付いてきたミニチュアと比較」
左のナイトインキャンターはグレーのプラですが、シークイターのゴールドに比べると臨場感に少々欠けますね。
やはりストーム・ストライクは「そのままでもゲームに使えるミニチュア」という部分にフォーカスしているように感じます。
「いざ嵐の衝突!」
ご覧の通り精巧なミニチュア15個も入っており、プラモデルとして見ても満足感のあるセットです。
正直これでもまだメーカー側の意図する「一般的な規模」のゲームをするにはミニチュアが足りないのですが、最初の小規模な部隊としては十分なものです。
何より、見た事のない分割や成型色、そしてキャラクター達、色々と入った小物や本など、箱を開ける瞬間は大変心躍る逸品です。
以上「ウォーハンマーAOS ストーム・ストライク レビュー と ミニチュアアーミーことはじめ」でした。
大型のスタートセット……結局はコレを手に入れるのが一番手っ取り早かったりする