本家ガンプラでも試行錯誤が続いたように、かつてSDガンダムでも様々な取り組みが行われました。
戦国伝の地上最強編では、SDなのに可動にメスを入れ、後のシリーズの礎を築きました。
その一番手となった烈光頑駄無をレビューします。
「純白ランナー、SDでは基本白はコレ」
「グロス仕様という訳ではないが、テカテカの青ランナー」
「メッキを落とす? とんでもない事を言うな」
「多めのシールとこのポリキャップとバネ、何もかもが懐かしい」
「説明書記載の設定は、断固として絶対に必要なものだった」
長らくSDガンダムでは説明書に設定が記載されているものでした。
元々、SD戦国伝は説明書の漫画であるコミックワールドを原型としています。
したがって、これらの設定の方が公式なものであり、少年誌に連載されていた漫画の方が二次的なものであるとも言えます(ややこしい)。
「ランナーロックだと? いいだろう、乗ってやるよッ!」
その名はランナーロック。
急に話が変わって恐縮ですが、この時期に導入されていた方式ですね。
このランナーがどうしたって?
……何となく想像はつきますよね。
「おお! ……うん、いや何だろうねこの感覚」
当時としても半分スルーされていたと記憶しています。
ランナーを組み合わせても利が少ないのです。
パーツを切り取るときにキレイにいかないし、切りにくくなります。
また、合わせ目を消す人には意味の無いもの。
もっと言うなら、それくらい普通に組み立てるよ、と思ったような……
「ニッパーの性能が上がったおかげで、あとを残さず切り取れました」
完成です。
シールを貼っても15分ほどでしょうか。
この他、銃用の弾が付属しています、設定では銃じゃなくて弓ですけど。
「軽装モード」
「このバックパックを見ればモチーフは一目瞭然」
烈光頑駄無はF91がモチーフですね。
まぁ彼の本名が衛府弓銃壱(えふきゅうじゅういち)なので……
「キックポーズがとれる、これはスゴイ事だったのだ」
可動を意識した設計だけあり、この体型なのに柔軟なポーズ付けが可能です。
地味な点ですが、肩の接続軸にも遊びがあり、表情付けの為に有効に働いています。
以降もキックポーズを売りにしているSDガンダムが登場してきますが、彼が最初の一人だったと思います。
「トンファーってガンダム全体で見ても珍しい装備だよね」
拳法家なので格闘用の装備が付属してます。
当時最大級の可動範囲が活きます。
「今見ても普通にカッコいい……」
謎の鎧ハンガーから鎧を装備。
アレは謎ハンガーではなく後続の轟天頑駄無と共通規格のハンガーです。
轟天は三人分の鎧を装備できるのだ!
……装備って言うのかアレ?
「武装は全てマウント可能、地味に珍しい点です」
全ての武器を背負うとさすがに背中方向に重さがいくとか、兜にスリットがあっては役割が果たせないのではとか、細かいツッコミ所があります。
「右手で格闘を繰り出し、利き腕の左手で剣を扱う全く新しい格闘技、それが剣勢拳」
SD戦国伝の主人公は二刀流だったり馬鹿デカい剣を背負っていたりすることもあるので、普通に何でもない剣をメインに使う人は少数派。
烈光頑駄無は新技術による実験作であっても、正統派の主人公でもありました。
「籠手+剣という潔さがシンプルで良い」
地上最強編の主人公三人は、それぞれ設計にコンセプトがありました。
烈光頑駄無は格闘ポーズ、他の二人は剣術・忍者を意識したポーズがとれる、といったものです。
全て同時に搭載するには、予算か技術に限界があったのでしょうね。
「コミックワールドでも連載漫画でも大抵使われない飛び道具」
スプリングミックってこの時代、色々な所にありましたよね。
当時食玩にもありましたけど、いつの間にか見なくなりました。
ヤツらどこに行った?
「かくしてSDガンダムは次なるステージへ」
地上最強編で実験した技術は、次なる七人の超将軍編でも進歩を重ねます。
そして最も売れたとされる「武者號斗丸」を擁する超機動大将軍編へと続きます。
様々な素材やギミックを搭載した、SDの代名詞ともいえる時代ですね。
しかし、その先駆けとなったのは烈光頑駄無です。
機会があれば、その小さなボディに秘められた数々の工夫に驚いてみて下さい。
以上「BB戦士No.109 烈光頑駄無 レビュー と SDガンダム黄金時代に続く道」でした。