レイドバックモデリング

より「ゆるく」立体物で遊びます

HGAC リーオー レビュー と GUNPLA EVOLUTION PROJECTの新動向

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 プラモ的には不遇の名機リーオーが遂にHGでキット化されました。

GUNPLA EVOLUTION PROJECTの第四弾として、「組み立てやすさ」を追求したガンプラです。

ひとつだけ忠告しておく、死ぬほどややこしいレビューだぞ。

 

 

 

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「パーツが左右対称に配置されてる……!」

 

 

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「こっちでもだ」

 

 

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「多色ランナーがこれは最新キットであると激しく主張してくる」

 

 

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「てっきりポリキャップレスかと思っていたが、実は使う」

 

 

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「余りパーツなど存在しないのが大変美しい」

 

 実に素晴らしいガンプラです。

床に落っことしたパーツを探している時間を含めて20分ほど完成します。

色分け完璧なシールレスキットですが、カメラ(顔)の裏にシルバーを塗っています。

何もしなくても完璧……すごいぞHGリーオー。

 

 

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「目標補足、行くぞリーオー!」

 

 このHGリーオーですが、最大の特徴は「GUNPLA EVOLUTION PROJECT」の第四弾としてコンセプトである「組み立てやすさ」です。

 

第一弾は新HGゼータガンダムの可動と差し替え変形の両立。

第二弾はRGユニコーンガンダムの1/144スケールでの完全変形。

第三弾はPGガンダムエクシアの新素材によるGN粒子の光の再現。

 

過去にもそれぞれコンセプトがあった訳ですが正直なところ、微妙だと思っていました。

どれも今のバンダイの技術力ならやってくるだろう。

そういった感覚で、まぁ驚きをもって受け取っていなかったのです。

 

 

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「ガンプラとしてはもう既に立膝とか余裕だから」

 

 でも、このHGリーオーは一味違います。

 

今までガンプラは劇中の姿やアクションシーンを再現する方向に進化していました。

HGリーオーはあまり鑑みられなかった「組み立て時間」に介入してきました。

関節部の処理を一新し、ランナーに各ブロック単位のパーツを集め、確かに可動と色分けを両立しながら、この難題をクリアして見せています。

 

この斬新な処理はもう己の目と手で確かめて頂きたい。

 

 

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「己の目って……何のためのレビューなんだ」

 

 バンダイの犬としてはこういった挑戦的キットには飛びつかざるを得ません。

比較的新しいガンプラは関節部はポリキャップを使って、後から関節ブロックを差し込むという処理が主になっていました。

 

このHGリーオーは新技術のKPS素材を駆使して「関節部そのもので挟み込む」という処理をしています。

 

後の全てのガンプラがこうなるとは言えませんが「関節ブロック」という問題への一つの回答であるとも言えます。

 

 

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「それでいてこの安定感のある挙動を見よ」

 

 発売前からHGリーオーの関節部に関しては話題となっていましたが、若干心配だったのが関節の安定性です。

 

Uの字でピンに食いついているパーツは、どうしてもグラつきます。

ですが、それは結局のところ杞憂でした。

関節のグラつきはゼロに近いので、もしかしたらポリキャップによる間接より優れているかもしれません。

 

 

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「デザイン上の問題だけど、首がまるで可動しない」

 

 あまり動かなそうなデザインですが、よく動きます。

劇中では首も回っていることがあったと思いますが、おそらくこのHGリーオーの方が正しい処理になっています。

あとの不満点は、アンクルガードが遊んでいると外れやすい、とかでしょうか?

……無理やり挙げるとすればですけど。

 

 

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「ところでリーオーはガンダムシリーズ全体で見ても、大活躍の量産機なのだ」

 

 リーオーは「ガンダムW」に登場するザクⅡポジションの機体。

HGACというのもガンダムWの年号であるアフターコロニーからきています。

 

いかにリーオーがスゴイ機体なのかと言えば、とにかく活躍が多いのです。

まず主役機であるウイングガンダムを撃墜しています、一話で。

また、ライバルが最初はリーオーに搭乗していたり、その他のガンダムパイロットやメインキャラクターが大体リーオーに乗ります。

 

 

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「シールド裏にビームサーベルの柄をマウント可能」

 

 基本的にはザコメカなのですが、一方でガンダムWの世界では一般的な機体であり、敵も味方もリーオーばかりという画面も多かったと思います。

それゆえに誰が何で戦っているのか分かりにくくなるという問題もありましたが、量産機としては面目躍如ですね。

 

 

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「後は任せてくれたまえ」

 

 ガンダムWはことさらオモチャっぽい見た目のガンダムが多いのですが、その中にあってリーオーは無個性な兵器といった側面を体現しているように思います。

顔とか見ても、ジム以上に無表情です。

 

 

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「組み立ててみると、リーオーが意外とシンプルなデザインだと気が付く」

 

 顔のブラウン管テレビのようなカメラが目を奪いますが、体はわりとシンプルな線で、しかし曲面を持った単調ではないデザインです。

アニメ放送当時、無可動のキットしか発売されなかったのは、人気以上に技術的な問題もあったのかと思います。

 

<休憩>

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「そいつはクソ雑魚一般兵」

 

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「間違っても喧嘩売るなよ!」

 

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「輝き撃ち」

 

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「任務再開」

 

 個性がないぶん、遊びやすいというかイジりやすいというか……

乗っている人によって(本当に)戦闘能力に差がでる描写はガンダムシリーズではあまりなく、色々なキャラクターが乗ったという唯一無二の個性が、リーオーにはあるのかもしれません。

主人公が、主人公機以外に乗って活躍することが許されるというのも良い時代でしたね。

 

 

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「事は全てエレガントに運べ」

 

 忘れがちですがガンダムWの機体は結構な小型です。

HGリーオーも極端なサイズ差こそありませんが、普通のガンプラよりも一回り小さめです。

これまでのタイミングでも、ポリキャップを仕込むことで、リーオーのガンプラを発売する事はできたでしょう。

しかし、これ程の完成度にはならなかったに違いありません。

 

 

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「HGACリーオーは、今だからこそのガンプラだ!」 

 

 先のKPS素材や、造形技術の発達、RGトールギスの発売決定、そして企画が通るかの運(?)が重なったからこそ、このHGリーオーが実現したのだと言えます。

GUNPLA EVOLUTION PROJECTという晴れ舞台に、10年以上前の派手でもない量産機が取り上げられたのはどう考えても特別な事です。

 

 

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「何個のリーオーを作ったか聞きたいか?」「……いや、いい」

 

 これまで初心者オススメキットの定番と言えば、HGUCのジムでした。

2018年の5月以降は、それはHGACリーオーになるでしょう。

それだけの完成度と組み立てやすさが、この一箱に詰まっています。

 

歴戦の人には?

さっさと買いに行って下さい。

 

 

以上「HGAC リーオー レビュー と GUNPLA EVOLUTION PROJECTの新動向」でした。