主人公機達が錚々たる顔ぶれで並ぶ中、若干浮き気味のRGジャスティスガンダム。
そんな意図せずして積みプラになっていそうなガンプラをレビューしながら、リアルグレードを出来るだけ手をかけず、しかし良い感じに仕上げることを目指します。
さて、RG(リアルグレード)シリーズは作ったことはあってもパーツ数の多さやデカール等でトラウマになり、余程好きな機体じゃなければ組み立てない……という方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はクリアスプレーとスミ入れというメーカーが推奨する工作のみで作っていきます。
スプレーのみでもガンプラは十分なのだ!
そして、これなら1~2日もあれば完成できます。
なお、この作り方はRGジャスティスじゃなくて、HGとかにも対応しています。
「クリアスプレーのみでも良い感じになるサンプル」
「RGではないが、ゴールドスプレーのみでも良い感じになるサンプル」
では今回の獲物であるRGジャスティスのランナーをチェックしてみます。
「アドヴァンスドモビルスーツジョイント。初出は旧Vガンダム……いや武者ガンダムか?」
「ジャスティスにこんな色あるか? ……無い色を使うのがRGの真骨頂だ」
「おそらくABS素材。可動するので耐久面も考慮している」
「こんなに白い部分あったかな? と思うけど、実は結構ある」
「RGはだいたいビームサーベルは長め」
「リアリスティックデカール。知らない人が見たら、その数に面食らう」
「今回使う工具と塗料の全て」
では道具を確認していきましょう。
まずは写真右上「クリアスプレー」。
光沢クリア、等と言われたりしていますね。
メーカーは艶消しスプレーを推奨していますが、今回は光沢スプレーでいきます。
RGには高級感のある光沢がとても似合いますし、スミ入れやデカールを貼る時も光沢じゃないと作業が大変です。
スミ入れ用に写真左上のタミヤの「スミ入れ塗料」。
これはエナメル塗料なので、はみ出した部分は写真中央上の「エナメル溶剤」でふき取っていきます。
「ピンセット」はデカールを貼る時にあった方が楽です。
最後に、「ニッパー」は出来るだけ切れ味が良いものを……
「クリアスプレーをしたランナー」
いきなりランナーにクリアスプレーを吹いていきます。
全てのランナーにクリアスプレーを吹く必要は「ありません」。
完成した時に外側になる部分、外装の部分にのみクリアスプレーを吹いていきます。
このRGジャスティスでは黒とかグレーのランナー以外にスプレーを吹いています。
理由は単純で、完成した時に見えるのは外装だけだからです。
1~2日しかないので無駄な時間と塗料を使っている暇は無いのです。
上記のスプレーはラッカー塗料なのですぐ乾きますが、一時間位は乾燥させた方が良いですね。
「スプレー後にスミ入れをしたランナー、結構はみ出ていますね」
「スミ入れ後、はみ出した部分をふき取った」
クリアスプレーが乾いたらスミ入れです。
スミ入れは難しい事を考えず、モールドに塗料を流していくだけです。
毛細血管現象で勝手に溝に流れてきます。
タミヤのスミ入れ塗料は蓋にハケが付いているので、筆とかも必要ありません。
こちらも一時間もあればとりあえずは乾燥しますので、はみ出した部分を「綿棒」に「溶剤」を浸し、ふき取っていきましょう。
少々汚れが残っても問題ありません。
むしろ少しくらい汚れがあった方が「らしく」なります。
「後は組み立てるだけ」
クリアスプレーとスミ入れが終われば、工作は終了です。
リアルグレードはパーツ数が多くて大変、というのは間違いないのですが、組み立てにくい訳ではありません。
モビルスーツジョイントで骨格が出来上がっているので、マスターグレードのようにゼロから組み立てる必要もありませんからね。
「ここで満足ならば、それはそれで問題ナシ。というか十分ですね」
さて、いよいよデカールを貼っていきます。
この工程がヘタをすると一番時間がかかります。
体力の消費を抑えるために、出来るだけ適当に貼っていきましょう……
ちょっとくらい間違えても、作った本人ですら中々気付かないので大丈夫です。
「リアルグレード、ジャスティスガンダム、出る!」
「デカールを貼ると情報量が凄まじい勢いで増える」
……ホントウにオツカレサマでした。
リアルグレードのデカールまで貼るのは大変困難な事業です。
ここはレビューも兼ねているので、もうちょっと続きますね……
「何でヤスリでゲート処理しないの?」
あくまでクリアスプレーとスミ入れのみにこだわったのは、とりあえず完成させることがまず重要だと考えたためです。
本来であれば、パーツ一個一個ヤスリでキレイにしていくのがフォーマルなスタイルです。
ですが、どう考えてもメンドクサイ。
そもそも、それでは何日経っても完成しない……!
「ルプスビームライフル。細身だがバックパックが迫力を生み出している」
このガンプラのパッケージでは、艶消しスプレーを推奨しています。
それには悪意はないでしょうが罠があります。
「いつ艶消しスプレーを吹くんだ?」という罠が。
「ラケルタビームサーベル。突起があるのでしっかり持てる」
リアリスティックデカールは、貼るだけでメタリックな質感を得ることができますが、これに艶消しを吹くと、当然メタリック感が無くなります。
デカールを貼る前に艶消しをスプレーを吹くと、今度はパーツの表面に凹凸ができ、うまく密着しなくなります。
また、凹凸のある状態でスミ入れをしようものなら、汚れが無暗に広がってしまいます。
ツルツルした表面だからこそ、汚れが簡単にふき取れるのです。
「合体! アンビテクストラス・ハルバード! 名前が長い……あ、右平手が付属しています」
艶消しスプレーでの完成を目指すならば、最初にスミ入れを行い、普通のデカールは貼って、メタリックなデカールはスプレー後に貼る、という流れになると思います。
完成後に外装を全て取り外し、一個一個スプレーしていく工程が加わるのですね。
だからデカールの順番とか関係なく、スミ入れも容易な光沢スプレーがオススメなのです。
「パッセルビームブーメラン。遊び心に満ち溢れた武装である」
ところでビームブーメランって斬新な武器でしたよね。
フリーダムが飽和火力で敵をまとめて消し飛ばそうとしているのに、こっちはブーメランって……
でもアニメ映えするのでデスティニーガンダムにも搭載されていましたね。
「バックパックであるファトゥム-00、細かい分割で見どころの一つ」
スミ入れの話も少々……
今回はランナー状態でスミ入れしました。
多く場合は完成してからだと思いますが、それだと一つ問題点があります。
エナメル溶剤はプラスチックを破損させる可能性があります。
よくあるのが、関節部に流れ込んで軸が折れてしまう、などでしょうか。
それらの問題を解決するにはプラスチックにテンションがかかっていない状態、つまりランナー状態でのスミ入れが理想と言えます。
「展開状態は場所をとるけど、背中のコレがジャスティスのアイデンティティである」
特にRGシリーズは細かい軸や、スライドする部分が多く、液体が流れ込みやすいので、完成後のエナメル溶剤でのスミ入れは注意したい所です。
骨格であるモビルスーツジョイントはプラスチックではありませんが、しかし可動部位が多いので注意すべきでしょう。
「Get Ride! ……急にどうしたジャスティスガンダム」
突如としてファトゥムに乗るジャスティス。
何だコレって思いますが、案外アニメ中ではこの状態で活躍しましたよね……?
「こんなことしなくても飛べるが、こうした方がジオン軍を意識してるみたいだろ?」
スプレーもスミ入れも「ほどほど」が大切です。
光沢スプレーは吹きすぎれば表面に凹凸ができてしまいますし、スミ入れも前述のとおりです。
「大体こんなものじゃない?」くらいで止めておくのが大切な心構えなのです。
「手を抜いてでも完成させろ!」
RGシリーズの中でも埋もれがちなジャスティスガンダムですが、作り方を見直しながら手を出してみましょう。
世界でただ一社、バンダイでなければ不可能なクオリティのRGシリーズにあって、このジャスティスガンダムもまた、未曽有の完成度を有しています。
作らないでおくにはあまりにも勿体ないガンプラです。
以上「RG ジャスティスガンダム レビュー と 1~2日で完成させるリアルグレードの作り方」でした。
今回作ったもの、使ったもの一覧