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より「ゆるく」立体物で遊びます

BB戦士250 鉄板丸 レビュー 武者○伝Ⅲに見た、あるSDガンダムギミックの果て

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 今回は久しぶりに過去のSDガンプラ、SD頑駄無 武者○伝Ⅲより鉄板丸(ブリキマル)をレビューします。

息抜きがてらの古いキットと侮っていましたが、あらゆる意味で完成度の高い逸品でした。

 

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「パッケージ」

 

 

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「ギミックを的確にアピール」

 

 

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「この時代はパッケージが全方位マンガ調に彩られている」

 

 

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「シールとコミックワールド付き説明書」

 

 コミックは全4ページあり、ストーリー性も売りにしていた後の三国伝の仕様を先取りしています。

 

 

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「久しぶりにランナーも紹介」

 

 大ぶりのパーツがゴロゴロしていてアガりますね。

 

 

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「しかし、いつものSDという感じでもない」

 

 

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「ポリキャップ三連星の衝撃、追撃のリード線」

 

 当時における普通のSDガンダムラインでありながら、構造やギミックが完全にワンオフのそれ。

 

私は完全に息抜き用のナメた気持ちで入手したのですが、気を抜けば喰われるのはコチラの方でした(?)

 

 

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「完成、鉄板丸(ブリキマル)」

 

 武者○伝か……書くべきことは山ほどある気がするのですが、個人的に当時はガンプラから離れていた時期なので、まずこの出来に素直に驚いています。

 

 

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「背後から、そこら中に仕掛けを隠し持っていそうな佇まい」

 

 過去作である武者○伝2までは当時よくあった二頭身バランスのラインナップが主でしたが、鉄板丸はもうほぼ三国伝のような体型ですね。

 

 

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「まさかの腕可動、足にも注目」

 

 ボールジョイントではなく、四肢に細かく軸関節を仕込んでの可動は一部は三国伝を越えています。

 

私先程から三国伝としきりに言ってますが、三国伝シリーズは近代SDガンダム設計の完成形と言えるもので、現行ラインであるレジェンドBBも三国伝の発展形である偉大なシリーズです。

 

 

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「丸太は持ったな!!」

 

 この丸太は破城槌らしいです。

 

さて過去に戻って武者○伝シリーズですが、特徴はゆるキャラみたいな状態から、瞳のないリアル調SDガンダムへの変形を標準搭載していた点。

 

まぁこの説明だと鉄板丸は標準から離れている、というか武者○伝Ⅲにはそれに当てはまらないキャラクターも多いです、三作目ですしね。

 

 

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「ギミックの為にとりあえずバラバラに引き裂いてやろう」

 

 武者○伝は過去作ムシャジェネレーションの反省を活かした新機軸の変形合体ギミックが好評を博したのか三年に渡る長期シリーズとなりました。

 

この三年というのは三国伝と同等であり、三国志というバックボーンを持たない完全オリジナルの武者○伝人気がいかほどの物であったかが伺い知れます。

 

 

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「破城槌戦車形態(クラッシュタンクモード)」

 

 SDガンダムお馴染みの変形、鉄板丸は鉄機武者なので組み換え変形もしっくりきます。

 

え? 鉄機武者? 鉄機武者は人造のキャラで……いやSDガンダムは一種の生命体であって、過去には鉄機武者の反乱とか……この件はまたにしましょう。

 

 

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「横から」

 

 完全な見立て変形ですが、持ち手等も上手く活用しています。

 

この変形ギミック用に体の各所にジョイントがあるので……

 

 

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「オリジナル組み換えの自由度もある」

 

 ところで鉄板丸にはメッキパーツがありません。

 

武者○伝2までは採用されていたのですが、Ⅲでは主人公すらメッキパーツを採用していません。

 

一方で、サイズが大きくなったり複雑なギミックにこだわっていたりと、SDガンダムはこういう物、という常識が変わっていく過渡期だったのかもしれません。

 

 

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「規制解除活性化形態(アクティベイト・モード)」

 

 ゆるキャラ→武者ではなく、拘束をパージして軽装形態へ変化するという設定、考えられていますね。

 

私は昔から口の赤いシールが上手く貼れない人でした、鉄板丸は兜にも口があるので二回上手く貼れないという……口じゃなくてアゴ? その件は止めましょう、マジで戦になるから……

 

 

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「首のリード線がようやく見える」

 

 体の各部にポリキャップを仕込むだけでも結構重労働ですが、このリード線は更に曲者で、抜けたりして中々説明書通りになりません。

 

子供には大変な部分かもしれませんが、一方で簡単すぎてバカにしている感じはないというか、ユーザーを信頼している印象があります。

 

 

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「可動部フル開放」

 

 素体部分に変形用の無茶がないので良好な可動範囲を有します。

 

色は全体的に足りていないのですが、時代を考えれば効果的に補っている方だと思います。

 

 

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「胸に輝くは危険の文字」

 

 古いお手軽キット、等ではなく、当時できる事を最大限詰め込んだギミック寄りSDガンダムの極地。

 

自分が一度去った後も進化を続け、より高みを目指した武者○伝キットを、時を経た今再訪して悲しいやら嬉しいやらですが、店頭で再販を見かける頻度が高いのは確かな支持の証でしょう。

 

 

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「鉄板丸を組んだ事で個人的注目度が高まった武者○伝」

 

 武者○伝三部作後、武者七人衆の、ガンプラまで含めて最高のリメイクであった武者烈伝から、しかしシリーズは苦境に立たされます。

 

SDガンダムシリーズの救世主である三国伝開始まで、絶望的な撤退戦を繰り広げた漢の物語、武者番長風雲録の話は、またいつかにしましょう……

 

以上「BB戦士250 鉄板丸 レビュー 武者○伝Ⅲに見た、あるSDガンダムギミックの果て」でした