かのムシャジェネレーションより武者ブルーガンダムが登場。
今見てもあらゆる意味で動揺を隠せない設定と、当時の迷走ぶりを感じられる優秀なプラモデルです。
「パーツ割はシンプル……どこかで見た事があるような?」
「一枚全部がクリアランナーだと!?」
「メッキとクリア素材に心躍らないやつがいるのか?」
「コレを見てどう思うかで世代が分かれる」
「パーツが余ったり、余剰パーツがでないという美しさ」
キット内容はシンプルなので、組み立ても10分ほどで済みます。
折角なのでゴールドの部分は色を入れてみました。
武者ブルーの横にあるフィギュアはパイロットの「ヒイロ」です。
分かる人ほど混乱しますね。
「この豪快な装備と腕の肉抜きは、もはや見せ場の一つ」
設定はややこしく、かいつまんで纏めると以下のようになります。
機体名は武者ブルーガンダム。
ブルーディスティニー3号機がモチーフです。
乗っているのはガンダムWに登場したヒイロが元になっています。
元と言うか、そのままですね。
当時はブルーディスティニーのパイロットであるユウの設定があまり固まっていなかった為かと推測できますが、このシリーズだと他にも納得いかないキャスティングがあったりします。
「この大筒って武器、どう見てもツインバスターライフルだよな」
プラモに付属している漫画、いわゆるコミックワールドだと事あるごとに自爆しようとします。
コミックボンボンで連載された漫画だとヒイロは陽気なキャラで、兄弟弟子でニムバスがブルーディスティニー2号機に乗って出てるのでさぁ大変。
「武者ブルーは後でGジェネのプラモに流用される? 任務了解」
めちゃくちゃ言っていますが、ムシャジェネレーションの漫画そのものはSD戦国伝の始まりに迫るものであり、評価は高いです。
この武者ブルーもですが、ムシャジェネレーションシリーズは同時期に展開していたGジェネレーションのプラモデルシリーズに流用を見越して設計されているようです。
当時はそういった事情もあって、あまり評価されなかった部分もあると言えます。
当時、廉価版のような扱いだったGジェネシリーズのような設計(当然ですが)で、自我を持ったSDガンダムでもない。
仕様とキャラクターの両面で、訴求効果が弱かったと言わざるを得ません。
しかし今の目で見れば、限られた条件で出来ることを模索している名残があります。
ひとつ前のムシャ戦記から継続してキャラクターのフィギュアを付属したり、各機体をクリアパーツのカラーで個性付けしてみたり、メッキパーツをできるだけ増やしてみたり。
「任務完了」
最新のレジェンドBBシリーズだとサイズアップしたこともあり、メッキもクリアパーツもおいそれと採用できません。
この輝くカラーリングは、この時代だからこそ、でもあると言えます。
全5種類と短命に終わってしまった武者ジェネレーションシリーズ、お店で見かけたら保護してあげて下さい。
この後SDガンダムは武者〇伝に発展し、この迷走を抜けるのですが、それはまた別の話です。
以上「BB戦士No.205 武者ブルーガンダム レビュー と 迷走したムシャジェネレーション」でした。